「住宅ローン減税」は住宅ローンを利用してマイホームを新築・取得する場合の金利負担軽減を図る国の制度です。制度名を耳にしたことがある方も多いと思いますが、2024年1月からその条件等が変更になりました。
■2024年から変わった住宅ローン減税
「住宅ローン減税」とは、毎年の住宅ローン残高の0.7%を最大13年間、所得税から控除することができる制度です。ところが2024年1月以降は、省エネ基準を満たした住宅でなければ、住宅ローン減税受けることができなくなりました。「省エネ基準適合住宅」は以下の通りです。
① 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅
② ZEH水準省エネ住宅
③ 省エネ基準適合住宅
【図1】出典:国土交通省ウェブサイト
■「認定長期優良住宅」の認定要件
住宅ローン減税の対象となる「省エネ基準適合住宅」は3種類ありますが、どのような認定要件があるのでしょうか。今回は、省エネ基準適合住宅の中で最も性能が高い、と国が定めている「認定長期優良住宅」について触れていきます。
「長期優良住宅」の認定要件
① 住宅の構造および設備について長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられていること。
② 住宅の面積が良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること。
③ 地域の居住環境の維持・向上に配慮されたものであること。
④ 維持保全計画が適切なものであること。
⑤ 自然災害による被害の発生の防止、軽減に配慮がされたものであること。
参照:長期優良住宅(2)認定基準| 国土交通省(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000006.html)
■「住宅ローン減税」を適用条件は?
「住宅ローン減税」はどのような条件で利用できるのでしょうか。新築住宅を取得等する場合の主な条件は以下の通りです。
① 自らが居住するための住宅であること
② 床面積が50m2以上*
③ 合計所得金額が2,000万円以下*
④ 住宅ローンの借入期間が10年以上であること
⑤ 引渡しまたは工事完了から6ヵ月以内に入居すること
⑥ 昭和57年以降に建築又は現行の耐震基準に適合していることなど
*2023年末までに建築確認を受けた新築住宅を取得等する場合、合計所得金額1,000万円以下に限り、床面積要件が40m2以上
■実際の「控除額」は?
では、住宅ローン減税の制度を利用すると、実際にどのくらいの控除が受けられるのでしょうか。計算方法としては、毎年、「年末時点の住宅ローン残高×0.7%」と「1年間の最大控除額」を算出し、そのうちいずれか低い金額を所得税や住民税から控除する方法になります。
【図2】出所:国土交通省ウェブサイト
■入居のタイミングに注意!
将来、長期優良住宅をはじめとする「省エネ基準適合住宅」購入と「住宅ローン減税」利用を検討している人は、それぞれのメリット・デメリットを十分に把握する必要があります。また、住宅ローン減税の控除上限額は、住宅を購入したときではなく、「居住を開始したとき」で決まります。新築住宅を取得する場合、入居するタイミングが2024年1月以降になると、控除限度額も大きく変わってしまうためご注意ください。住宅ローン減税の利用で後悔しないためにも、一度、専門家に相談してみることをおすすめします。